About Cut200series- こちらのシリーズについて -

“Cutシリーズのテーマ”

Cutシリーズでは革素材を使用した帽子アイテムを展開。前シリーズの流れを汲んだデザインや仕様で、素材感に関してはテイストがガラリと変わったり。革の特性を活かしたモノから革らしくない素材の創作、素材が革であることのみが一貫したテーマになります。シリーズ名の由来は「Cut=遮る」。
200シリーズはハードレザーの固さとソフトレザーの柔軟さを併せ持つ複合レザーを使い、革の持つ伸縮性・可塑性・浸透性の3つの性質を活かしたアイテム。
▼ 鞣しによる革の違いと特徴
鞣しとは、剥皮した動物の皮が腐敗したり、硬くなるのを防ぐために加工する工程のことで、これにより剥皮したままの「皮」から「革」になり様々なモノへと形を変えていきます。
鞣しの方法にもいくつか種類があり、その工程の際に用いられる「鞣し剤」により鞣しの呼び名が変わります。現在の主流はタンニン、クロム、その二つを合わせたコンビネーション=複合鞣しの3つ。
タンニン鞣しとは、
植物から抽出できるタンニンという成分により革を鞣します。経年による変化、使用によるアタリや変色が顕著に現れ、革らしい革と言えます。
その他にも、コシやハリがあり型崩れしにくいのが特徴。詳しくはこちら「タンニン鞣しとは」で詳しく説明しています。
クロム鞣しとは、
鞣し剤に硫酸クロム、重クロム酸ナトリウム、クロム塩などの合成材を使います、その生産性の高さから、この鞣し方法が現在の革製品の主流を占めています。
一般的に柔軟性・弾力性がありよく伸びるのが特徴。こちらも「クロム鞣しとは」で詳しく説明しています。

“Cut200シリーズで用いられる素材”

Cut200シリーズで用いられる素材は、複合鞣しといわれるタンニン鞣しとクロム鞣しの特徴を組み合わせた方法で作られた革で、
程よいコシとハリ、柔軟性・弾力性のある革です。
▼ 特性の活かし方と技法
3つの性質を活かした技法は、伸縮性を利用したパーツの形成、レザーレイジング製法、オイルカラーリングなど。
- 伸縮性 -
革の伸び縮みする性質を利用したブリムの形成方法
ブリム=ツバ部分はカーブしている為、通常ではブリム端で縫い合わせが必要となります。
200シリーズではブリム端を伸ばし、逆にブリム縫い付け部分縮めながら縫い付けることで、ブリム端の縫い合わせをなくし、レザーアイテムのハードさを抑えています。
- 可塑性 -
レザーレイジング製法によるクラウントップの形成
レザーレイジング製法とは、形を保とうとする革の特性を利用し凸と凹の木型で革を挟み込むことで様々な形を作る技法。別名:革絞り。
また、縫製後のシルエット形成時にも可塑性を利用しています。ここでは製図上で縫い目を波打たせシワ分の分量を入れ、帽子のサイズが変わらない工夫を施しています。
- 浸透性 -
オイル浸透によるコントラスト
革本来の油分に加え、さらにオイルを塗り込み浸透させることで色味に深みを出しています。また、オイルを入れることでしなやかさや撥水性を高める効果もあります。
200シリーズでは部分的にオイルの種類を変えることで、淡いコントラストを出しています。特にナチュラルブラウンで色の違いが顕著です。
- 使用性 -
仕様の変更によるかぶりやすさの向上
100シリーズからの大きな変更は2つです。着用の妨げになるブランドタグ・品質表示・洗濯ネームをスタンプ化し裏地に直に記載。内側頭周りのテープ素材であるスベリは吸汗・防臭・抗菌効果のある「シルリード」という特殊なタイプのものに変更しました。